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三門忠司



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三門忠司

峠の夕陽

Lyricist:もず唱平
Composer:三山敏

峠の夕陽をみるたびに
思い出すんだ お袋を
今年五十路のやもめの暮し
助(す)けてやりたい気持ちはあるが
無職(ぶしょく)渡世のこの身では
儘(まま)にならない禄(ろく)でなし

おっかさん、ご免よ。何の因果か赤の他人を親にもち、
今じゃ立派な命稼業の渡世人。
道中一つ峠を越えるたび、いつもお天道様に叱られて、
この身が真赤に染まるんだ。

峠の夕陽に身を染めりゃ
胸が痛むよ チクチクと
二八十六 花なら蕾(つぼみ)
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娘盛りの隣(となり)のおみよ
二世の誓いを反古(ほご)にして
俺を恨んでいるだろう

生まれ落ちての利かん気が仇となり、とうとうまっとうな道を
踏み外しちまった。
おみよちゃん、お前には堅気がお似合いだ。
赤い夕陽がそういっている。もう、おいらのことは忘れてくんな。

峠の夕陽の見納めか
やけに眩しい茜雲
明日は捨て身の伊達引き仁義
義理で切ります 大馬鹿野郎
せめて哀れと思うなら
鳴いておくれよ 杜鵑(ほととぎす)