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小椋佳( おぐら けい )



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小椋佳( おぐら けい )

想い初めさえしなければ

「閑吟集」に依る恋歌合わせ

Lyricist:小椋佳
Composer:小椋佳・坂田美子

想い初めさえしなければ 紫草の姿して
深く浅くや濃く薄く もの思いなどせぬものを

あの人は今旅枕 いずれの土地か草枕
あの手枕を懐かしみ 一人空しき袖枕

片割れ月に胸ふと濡らし 花舞い散れば頬また濡らす
春は過ぎ夏闌(た)けて 秋は暮れ冬来るを
草木の色に知るばかり

まるでこの身は花筏 浮かれこがれて何処へ行(ゆ)く
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あるいは夜の鳴門舟 逢えずこがれてうち沈む

風吹くと見て花が散る 花散ると見て風が吹く
恋に燃えれば涙落ち 涙落として恋に燃え

庭の夏草茂らば茂れ 訪れ人の無い家だもの
田子の浦波立たぬ 日はあれどあの人を
想う高波止む日無し

はるか昔も今の世も 絶えないものは曲者か
恋という名の曲者に 夜も眠れず取り憑かれ

恋しい人は旅枕 いずれの土地か草枕
あの手枕を懐かしみ 一人空しき袖枕